暑熱馴化(しょねつじゅんか)
暑熱馴化とは、環境の温度変化に対して体が適応する過程を指します。
人の身体は、本来気候に順応する能力があり、暑い時期でも運動などを通じて体が慣れていきます。
これを暑熱馴化(順化)といい、暑い時期には汗をかいたり抹消血管を広げたりして熱を体外に放出しようとします。しかしながら体を動かす機会が減ってしまうと、この馴化機能が働きにくくなっていきます。
そうすると、体内の水分や塩分が失われやすく、体温も上昇し体温調整の機能が上手く働かなくなり、いわゆる熱中症になってしまうのです。
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熱中症は身体に熱がこもり、頭への血液が少なくなって意識を失ったり、汗で塩分が失われて筋肉が痙攣したり、体温が上昇して様々な臓器に障害を起こしたりと非常に危険な症状です。
暑い環境下で長時間過ごす必要がある方だけでなく、近年の気温上昇はどんな方にでもその危険が及びます。暑熱馴化が熱中症の発症リスクを減らす重要な役割を果たすということへ繋がりますので、熱い季節にも耐えられる身体づくりをしたいものです。
特に、湿度が高く気温の高い日本の夏ですが、厳しい暑さが訪れる前に身体を順応させていくことが出来るといいですね。
馴化させていくには無理のない範囲で行う有酸素運動が有効とされます。暑い環境で運動をすることで、心臓や肺の機能が向上し、健康状態が改善されます。適度な運動は血液量を増加させ、その結果、発汗しやすさが増し、皮膚の血管の開きやすさも改善されるといわれております。
*血液量が200ml増加することで約20%発汗量が増え、皮膚血管の開きやすさが50%改善されます。(日本生気象学会調べ)
ただし、暑さに慣れる前に無理な運動をすると、熱中症を引き起こすリスクが高くなります。運動は、徐々に始めて暑さに慣れさせていきましょう。
(注意点)
- 適切な水分補給:暑い環境下では、汗をかいて水分が失われるため、こまめな水分補給が必要です。ただし、飲み過ぎると逆に体調を崩すこともあるため、適量を守って水分補給をすることが大切です。
水分補給には、水だけでなく、スポーツドリンクや塩分補給ができる飲料も有効です。 - 適切な服装:暑い環境下では、軽くて通気性の良い服装が適しています。また、帽子や日焼け止めを利用することで、直射日光から肌を守ることも大切です。
- 適切な食事:胃腸に負担をかける油っぽい食事や大量の食事は避けるようにしましょう。代わりに、果物などを積極的に取ることが重要です。消化に負荷がかかりにくく、水分や栄養素を補給することができるものを選びましょう。
- 暑すぎる環境下での運動を行わない:暑さになれるためでも暑すぎる環境下での運動は、体力を消耗しやすくなり、体温上昇や水分不足などのリスクがあるため、適切な暑さの下で運動を心がけることが必要です。体への負担が多くなりすぎず、運動効果があるものを選びましょう。
ただし、個人差があるため、自分に合った方法を見つけることが重要です。また、極度の暑い環境や人それぞれ個人差もありますので(特に高齢者や乳幼児、体調の優れない人など)、無理をせず、健康状態に合わせた暑熱馴化を行うことが重要です。
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