マイフェアレディー
昨日のブログに英国のことを書いていると
有名な映画を思い出しました。
その映画とはマイフェアレディーのことです。
見られた方も多いのではないでしょうか。
オードリー ヘプバーンがなまりのある英語を話すシーンがたくさんあります。
実は学生時代に言語学と音声学を専攻していたということもあり、
この映画も資料の一部分として使い、
音声学の見地から論文を作成したことがあります。
かなり前のことなので、記憶はすべでではありませんが、
この「訛り」というのはコックニーという東ロンドンの方言、
いわゆる下町言葉の「発音」についての論文でした。
色々な言語の発音は面白いもので、
一般的によく知られるように、舌や口の動きだけではなく、
喉の使い方や、呼吸の仕方などの違いもあります。
マイフェアレディーの映画の中では特に発音面で
顕著な違いがわかります。
ストーリーだけでなく、音声学の参考資料としても面白い映画でした。
ヘプバーンの役柄として話す英語の
「a」や「h」、「th」、「t」は、一般的に学校で習う英語とは明らかに違う音です。
簡単に説明すると、
①母音の”a”
本来なら[éɪ(エイ)]ですが、コックニーは[aɪ(アイ)]と発音します。
例えば「TODAY」という単語は”トゥダイ”です。
オーストラリア英語でも同じように「a」が独特な発音をされると聞いたことがあると思いますが、
実はオーストラリア英語のこの発音はイギリスのコックニーが起源とされているようです。
②”h”
フランス語でもそうですが、この音は発音されません。
例えばHouseであれば、「ハウス」ではなく、[άʊs(アウス)]と聞こえます。
フランス語ですが有名ブランドのエルメスの「H」が発音されないのと同じですね。
③”th”
日本語にはない発音なので、英語の授業などで練習した記憶のある方も多いと思います。
[θ]は「f」に、 [ð] は [v] と発音します。
[θ]→[f]
例)Think [θíŋk(シンク)]を[fɪŋk(フィンク)]と発音
[ð] →[v]
例)Mother [mˈʌðɚ (マザ)]を[mʌvə(マバ)]と発音
④”t”
声門閉鎖音というあまり聞きなれない言葉ですが、音声学ではglottal stopという言葉で使われます。
イギリス英語自体に声門閉鎖音は存在するのですが、コックニーはこれを多用します。
話しながら急に喉(声門)を閉じることで、無音化します。
Little(リトル)を「リル」なんて風に発音します。
今思い出せる発音だけでも、これだけありますが文法も書き出すとさらに長くなってしまいそうです。
とても素敵なストーリーなので、何度も見たくなるような映画ですが、
もしマイフェアレディーを見ることがあれば、発音の部分を意識して見てみると面白いと思いますよ。
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