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モミ(樅)とは
クリスマスツリーなどでよく知られるモミの木。常緑針葉樹のモミは、ロシアや北アメリカ、モンゴル、中国など北半球の寒冷地で広く生育しており、種類も約40種ほどあると言われています。そのなかでエッセンシャルオイルに使用される代表的なものが、ロシア産の「シベリアモミ(シベリアンファー:Siberian fir)」と北海道に生育している「トドマツ」。
このトドマツの正式な種名は、マツ科モミ属トドマツ(Abies sachalinensis Masters)で、モミ属であることを示す「Abies」と名前がついています。
「Abies」とはラテン語で「永遠の命」を意味し、寒さが厳しい地域でも葉を落とさないその姿が生命力の象徴とされてきたためで、古くから神聖な木としても大切にされてきました。
エッセンシャルオイルとしてのモミ
天然のモミは標高が2000メートルを超えるような非常に高いエリアに生息しています。しかし日本国内では地形上、尾根が連なる場所が多く、天然のものを採取することは困難であるため蒸留されるエッセンシャルオイルは植林したモミ科のトドマツが使用されることが一般的です。
そのため、天然のモミを使ったロシア産シベリアンモミ精油とトドマツから取れる国産モミ精油の香りの印象は少し異なります。シベリアモミ精油の香りはフレッシュでクリア、ウッディ調なのが特徴。たいして、和精油である国産のモミ精油の香りの特徴は少し甘みがありながら爽やかな香りです。
モミの精油は、抗菌、抗ウイルス、免疫向上作用から、風邪などの呼吸器トラブルによいとされ、古くから世界各地で民間療法に用いられてきました。そして近年の研究で、空気を浄化する作用もあることが分かってきています。
寒い時期にクリスマスツリーを屋内に飾ったのも、健康に過ごすための先人たち知恵だったのかもしれません。
名前 | シベリアモミ(ロシア) (Siberian Fir) |
トドマツ(日本) (Todomatsu) |
学名 | Abies sibirica | Abies sachalinensis Masters |
科名 | マツ科 | マツ科モミ属 |
抽出部位・方法 | ||
主な成分 | (モノテルペン炭化水素類)α-ピネン、β-フェランドレン、β-ピネン、カレン、リモネン、ミルセン (エスエル類)酢酸ボルニル (セスキテルペン炭化水素類)δ-カジネン、β-セリネン、α-セリネン |
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ノート | ||
香り | フレッシュでクリア、ウッディ調の香り | 少し甘みがありながら爽やかな香り |
禁忌 |
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さわやかな香りのモミの精油は、自律神経の緊張を緩和してイライラを取り除いたり、リフレッシュさせてくれる効果があります。また血行を促進し、身体を温める効果や抗ウィルス作用もあるため、風邪やインフルエンザなど、季節性の感染症の症状を緩和・予防してくれる働きがあります。
こころへの作用
モミの成分であるカンファー調の香りや針葉樹に特有の香りのα、β-ピネン、リモネンなどの香りが、まるで森林の中にいるようなさわやかな気分にして、鎮静・リフレッシュさせる効果があります。
さらに、マツ科の植物に含まれる成分、酢酸ボルニル(ボルニルアセテート)がθ波(シータ波)を増強し、自律神経の緊張や覚醒状態を緩和してイライラを落ち着けたりする効果であったり、安眠を促進する作用があります。
からだへの作用
α-ピネンやリモネンなどの成分含有率が高く、血行を促進して体を温める作用があることから、冷えの軽減や神経痛、関節痛、筋肉痛、腰痛、肩こり、リウマチなどにも有効とされています。
そして酢酸ボルニルの抗菌作用やモノテルペン炭化水素類による抗菌作用・抗ウイルス作用、α-ピネンやリモネンの免疫力向上効果などにより、風邪や季節性インフルエンザなどの感染症の症状抑制に効果的です。加えて、α-ピネンには空気の抗菌・清浄作用にも優れているため予防的観点からもその効果が期待できるといえるでしょう。
スキンケア
針葉樹から抽出される精油に多く含まれる成分「酢酸ボルニル」には、殺菌作用や肌質改善効果が期待されますが、刺激が強いため直接お肌へ塗布することはお勧めいたしません。キャリアオイルなどで希釈するか、もしくはマッサージ専用オイルを使用してください。
ブレンドの効果:モミは清涼感のある香りで、呼吸器系をサポートし、リフレッシュ効果があります。
芳香浴をしてみましょう
シベリアモミ精油は揮発性が強くお部屋全体に広がりやすい特徴があります。自律神経の緊張の緩和や風邪などの呼吸器トラブルによいとされていますので、年末の忙しい時期など体調を崩しやすい時期などに、モミ精油で芳香浴をしてみるのはいかがでしょうか。
モミを使ったおすすめのブレンド例
・モミ(2滴)
・グレープフルーツ(4滴)
*精油の分量はお好みで変えてください
禁忌
特になし
事故やトラブルに関して責任を負いかねますので、あくまでも自己責任にてご使用をお願いいたします。
持病をお持ちの方、妊娠中の方、お子様に使用する場合や、その他使用に不安のある方は、専門家や専門医に相談することをお勧めいたします。
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